
制作年
平成23年(2011) F60号 973×1308 キャンバス 油彩 額装 2011年東13回生卒業50周年記念品として寄贈 校長室展示
作品について
「ホープ・ジャパン」は、松井画伯の同級生である東13回生から、2011年に卒業50周年を記念して本校に寄贈された。東日本大震災からの日本復興を祈念し、松井画伯が精魂をこめて制作した作品である。
未曾有の大災害を心に刻むとともに、本校の大切な文化財として永遠に残すべき作品である。
作者について
松井 守男(まつい もりお)東13回(昭和36年3月卒)昭和17年(1942)~令和4年(2022)
1942年7月25日、豊橋の下地に生まれた松井守男は、武蔵野美術大学造形学部油絵科を卒業と同時に、フランス政府給費留学生として渡仏。パリを拠点に制作活動を始め、アカデミー・ジュリアンやパリ国立美術学校に学び、またピカソとの出会いに大きな影響を受ける。以後、サロン・ド・メ出品、個展開催、エールフランスの機内デザインなどの活動を展開するも、さまざまな苦悩や葛藤に直面し、自分の表現を模索する時期が続く。1985年、2年半の歳月をかけ、これを描いて死ぬという覚悟をもって、遺作とする決意で作品『遺言』を制作。この作品によって細かなタッチを面相筆で大画面に重ねて描く画境を確立。その西洋でも東洋でもない全体とディテール・すべてから精神、生命、光を発する抽象画は真のオリジナリティーとして現地で高い評価を得るに至る。1997年に名門フェッシュ美術館(コルシカ・アジャクシオ)で個展を開催し、これを機にコルシカ島に拠点を移し、以後地中海西部の豊かな自然をモティーフとした作品を手がける。2000年にはフランス政府より芸術文化勲章、2003年にはレジオンドヌール勲章を受章し、2005年に「愛・地球博」 のフランス・ドイツ共同パビリオンの公式作家、2008年には日仏友好150周年記念展シャネル・ネクサス・ホール(東京・銀座)や長崎の大浦天主堂などの史跡で個展が開催され、スペイン・サラゴサ万博で再度フランス公式画家に選出される。「フランスの至宝」と称される。2008年に長崎県五島列島の久賀島を訪れ、その自然の光と歴史に心打たれ、以来同地にもアトリエを構えコルシカと日本の双方に制作拠点を構えた。2011年 東日本大震災後は特に日本復興への祈りを込めて「HOPE JAPAN」、世界に誇るべき日本のエスプリを伝えようと「大和魂!」のシリーズを制作し、絵画世界の新たな次元に挑戦した。2021年NHK「日曜美術館」にて特集、「夕日が青く見えた日」出版。令和4年(2022)5月30日逝去79才。