令和7年8月6日、本校にて平和記念式典が開催されました。

愛知県立豊橋東高等学校世界平和祈念式典 生徒代表誓いのことば

皆さん、「平和」とは何だと思いますか。高校入学前の私は、戦争がないこと、核兵器がないことなどと漠然と考えていましたが、そのどれもが決定的なものではありませんでした。

高校入学後、平和についてより深く考えることで、ある時点において一時的に戦争がないという事実は、必ずしも平和な状態を意味するわけではないと思うようになりました。今から八十年前の今日、この豊橋・豊川の地域で私たちと同じように青春を過ごしていた生徒たちが、空襲によって命を落としました。戦争、空襲、それらがなければ彼らは生き延びることができたかもしれません。彼らにとってあの瞬間の「平和」は、空襲がなければ保証されていたかもしれません。しかし、一つの戦争が終わり大きな犠牲が出たとしても、世界では未だに戦争が行われ、新しい兵器も開発されています。世界には今もなお、戦争を起こそうとする人が後を絶ちません。

「平和」というのは、ある時点における戦争の有無そのものではないと考えます。私たち一人一人の、争いがない世界であってほしいという願い、争いをなくそうという行動、争いのない状態を維持していくという強い意志、これらによって「平和」は作られます。この世界に生きる全員の不断の努力によってのみ保証されるのです。

私たちは、平和を守るべき立場にあります。戦争経験者の方々から直接話を聞くことのできる機会は減っていきます。この世界に残された、戦争経験者の話をじかに聞いてきた私たちが、戦争の悲惨さを伝えていく責務を負っています。私たちは、今日この機会に、平和を守るために何ができるのかしっかりと考えます。

最後に、戦争の犠牲となった全ての方々のご冥福をお祈りするとともに、過去の事実を後世に伝え、未来に平和を築くことを、ここに誓います。

令和七年八月六日
生徒代表 宮路撫子