御殿飾り・茶会:昭和初年頃~

本校では毎年、桃の節句に御殿飾りと雛人形を出して「雛祭り茶会」を催されました。近年は卒業式前日の午前中に同窓会入会式・表彰式を行い、午後に茶華道部が「雛祭り茶会」を催します。この茶会は、高等女学校で約100年前の昭和初期には恒例の行事として行われていたようで、卒・入学式などの式典を除けば、本校120余年の歴史の中で、最も長きにわたり継続し受け継いできた伝統行事です。また、「御殿飾り」と「雛人形」は道具などの一部は失われましたが保存状態もよく、本校が所蔵する貴重な文化財の一つです。
「御殿飾り」について
本校の「御殿飾り」に関する最も古い記録は、高等女学校第25回昭和4年(1929)3月卒業生の卒業記念アルバムに掲載された写真です。この御殿飾りは、大正末期から昭和の初期の、豪華さと繊細さ併せ持つ京都・関西風の様式のものと思われます。



そもそも、桃の節句に雛飾りを出すようになったのは江戸時代からといわれ、江戸を中心に「段飾り」が、上方では「御殿飾り」が普及しました。御殿飾りは御殿を御所(紫宸殿)に見立て、天皇・皇后両陛下を模した内裏雛(男雛と女雛)を置き、側仕えの官女、庭掃除や煮炊きが役目の仕丁(三人上戸)、警護にあたる随身(左大臣・右大臣)などの人形を添え飾るものです。御殿があることで、人形の役割もよくわかり、飾りの中にも遊びの要素が加わります。現代のドールハウスのような雰囲気で、華やかな宮中の様子がジオラマのように表現されています。



「雛祭り茶会」について
東高校の前身である豊橋市立高等女学校では毎年桃の節句の時期にひな祭りの茶会が催されていました。この茶会は、大正14年(1925)に赴任した茶道講師(裏千家)・夏目志づ先生(昭和16年退職後、新制東高校に再び勤務)にあずかる処が多く、3月3日前後の数日間、作法室日本間に雛を飾りました。夏目先生はその後、新制高校時代にも「雛祭り」を行い、自前の鮨を握って職員一同に振舞われたそうです。

校舎が建て替わる以前の平成10年(1998)頃までは、同窓会館の中にあった和室で茶会が催されていました。また、昭和の時代には、若い男性教員が多かったこともあってか、新婚の男性教員が雛祭りの時にこの御殿飾りを見ると女の子を授かるとの言い伝えがありました。
本年も、茶華道部により、2月27日(金)の午後「雛祭り茶会」が催され、ひがし会(同窓会)会長はじめ役員も招待に預かり、本館作法室にて一服のお茶を堪能させていただきました。

